田舎住職 つれづれのつぶや記

仏教・禅のこと、お寺の日々のこと

災害支援のための街頭募金

先日、青年教師会という青年僧の会の活動として、地元の駅にて能登半島地震の災害支援のための街頭募金活動をしました。

雪がちらついていたこともあり、人通りは決して多くありませんでしたが、想像以上に多くの方が募金に協力をしてくださいました。

学生服を着た十代の女子高校生、若い青年、小さな子供を連れた家族、スーツを着たビジネスマン、駅で仕事をしていた清掃員さん、年配のご夫婦。

中には、

「さっきは少なかったから」

とわざわざ戻ってこられて、二度も募金に協力してくださった方まで。

小さな子供からご年配の方まで、本当に多くの方が募金箱の中に義援金を入れてくれました。

「少しでも被災地の方のために」

このようにして集められた義援金には、単に「お金」ということだけではなく、被災地の方々に対するお見舞いの気持ちや励ましの気持ちも共に込められているとことだと思います。

こういう物に込められた「プラス•アルファの気持ち」

これは、科学では証明することのできないものであり、目に見えないものです。

今の世の中は、何でも科学で証明できることばかりが重んじられがちですが、私たちはこういう「目に見えない人の想い」に励まされたり支えられたりすることも多分にあるのではないかと思います。

今回の街頭募金活動を通して、本当に多くの人が被災地のことを思っているのだということを肌で感じました。

きっと他の地域でも、多くの人が今回の震災のことに心を寄せていることでしょう。

義援金やさまざまな支援物資を通して支援しようという人たちの想いが少しでも被災地の方に伝わればと思います。

募金にご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございました。

自然災害という厳しい現実

新年の幕開けと共に起きた能登半島での大地震は、お正月ムードに包まれていた私たちの生活に大きな衝撃を与えました。

年が明けて一週間。

気持ちの落ち着かない日々を過ごしています。

今年は、新型コロナウイルス感染症の区分が五類となり、実に四年ぶりに何の規制もないお正月となりました。

久しぶりに実家へと帰省し、家族水入らずの時間を心から楽しんでいたという人も多かったことだと思います。

そのような中を襲った今回の大地震

こういう大きな自然災害が起こるたびに、

「私たちの生活は、いつどこにいてもこのような予期せぬ出来事と隣り合わせなのだ」

という厳しい現実を突きつけられます。

一年の中で最も寒さの厳しい時期を迎える中で、被災者の方々の避難所での生活は私たちが想像する以上に厳しいものでしょう。

そして、支援物資も思うように届かない中でさまざまな不安を抱えながら今も過ごされていることを思うと、なんとも言い難い気持ちになります。

今はただ、災害で犠牲になられた方々のご冥福を祈りすると共に、行方不明者の早期発見、そして避難所でお過ごしになられている方々のご健康を心からお祈りするばかりです。



新年の節目にブログをはじめます

令和六年の元旦を迎えました。

新年あけましておめでとうございます。

ぎけんと申します。

地方の田舎にある、小さなお寺の住職をしています。

新しい年の節目に、ブログを書き始めることにしました。

父の実家も母の実家もお寺だった私は、自分自身もお寺の家で生まれ育ちました。

そして、お寺から学校へ通い、お寺の大学に進学し、お寺の修行道場に入り、関西のお寺で役僧としてお世話なり、田舎に帰って自分が生まれ育ったお寺の住職になりました。

「お寺」や「仏教」は、常に私の身近なところにあったのです。

しかし、そんな「田舎でお寺」という環境が子供の頃はたまらなく嫌でした。

1人の子供としてではなく、いつも「お寺の子供」というフィルターを通して周囲の人から見られていることに心底不自由を感じてましたし、多感な時期は特にその環境に度々反発しました。

もちろん、今となって思えば「そう見られている」という自分の思い込みもあったのですが・・・

なので、身近にあった仏教のこともお寺のことも、自らが僧侶となるまでほとんど知りませんでした。

むしろ、無意識に遠ざけようとしていたように思います。

そんな私が、自ら僧侶となって十五年の歳月が過ぎました。

そして、その時間の経過の中で私の仏教に対する思いは大きく変化してきました。

仏教への理解が少しずつ深まっていくにつれて、その素晴らしさや奥深さに心から感動してきました。

まだまだ分からないこともたくさんありますが、今は坐禅などを通して「カラダとココロを調える」ことを探求するとともに、仏教への理解を日々深めていこう思いながら日常の生活を過ごしています。

そんな私が、田舎のお寺での生活する中で感じていること、そして私のことを日々支え導いてくれている仏教や坐禅のことについて少しずつ書いていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

令和六年 元旦

合掌